輪転印刷機の魅力

――― 今回は輪転機について、実際に使用しているオペレーターの目線から、普段、印刷時に留意していることなどをお聞きしたいと思います。 まず、シール・ラベルを印刷するうえで特にココは注意している…といったポイントなどを教えてください。

輪転機オペレーターMさん(以下Mさん）：印刷時は「常に高品質な製品を作り続けよう」という意識を持っています。品質を維持するため、特に印刷前の準備（セット）に力を入れるようにしています。印圧を手動で調整して製品の色を出しているのですが、お客様の指定の色を正確に出すためには、準備段階での色出し・調整が欠かせません。

――― 手作業で色味の調整を行っているのですか。まさに職人技ですね。私も以前カラーチャート表など見せていただいたことがあったのですが、正直、オペレータの方が管理されている色差は、素人目にはまったくその違いや差が分からず、自分の才能の無さを感じました(笑)。Mさんが、製品として出せる品質のものを印刷できるようになったのは、どのくらい経験を積んだときでしたか？

Mさん：私も色の違いなど最初は全く分からなかったですよ(笑)。 今のように「この色味には近づけるためには、この色を強く出せばいい」と分かるようになるまで、2～3年かかりました。社内認定試験を通った時点で、お客様に出せる品質はクリアしているのですが、調整の時間を少なくしたり、最初の色出しの時点で製品の色に近いものを出せるようになるまでが難しいですね。 ただ先程Wさんも言ったように、スーパーなどで並んでいるラベルを見て「この色は薄い」とか「印字が鮮明じゃない」と気づく人はなかなかいません。しかし、高品質のサニーシーリングとして製品を出すからには、お客様が分からないような部分までこだわりたいと思っています。

――― これまでMさんが仕事に対してどのような点を意識しているのか、また品質についてどのようなこだわりを持っているのかについてお聞きしましたが、会社として取り組んでいる品質向上に向けての取り組みなどあれば教えてください。

Mさん：設備としては、「インライン検査装置」を導入しており、印刷と並行して全数検査を行なっています。従来は、印刷工程が完了した後に、検査工程にある画像検査装置にて検査を行っていました。これが「オフライン検査」になりますが、印刷機にその検査装置を組み込むことで、「印刷と同時に画像検査」を可能にしたものです。これを「インライン検査」と呼んでいます。１分間に数十M流れる高速印刷中でも、細かな印刷位置のズレや異常をいち早く検知できるので、迅速な修正が可能となり、安定して高い品質を保つことが出来ます。

――― 全数検査ですか。品質を維持するために常にNG品をはじく体制が整えられているのですね。品質に高いこだわりを感じます。ただ、品質にこだわりすぎて生産性が落ちてしまうことが、懸念されそうですが、生産性向上の為に行っている工夫などありますか。

M：そうですね。サニーシーリング全体として、品質の高さを謳っているので、品質の維持はもちろん徹底して行っていますが、生産性向上についても常に工夫を重ねています。
個人的に、生産性を下げる要因は「無駄な工数を増やしてしまうこと」にあると思っています。そのため私含め輪転印刷機グループでは、常に無駄な工数を減らす取り組みを行なっています。具体的には機械のメンテナンスです。機械の故障は、無駄な工数を増やすどころか、作業自体が一日できなくなってしまう恐れがあります。なのでオペレーターとしては、一番避けたいポイントです。
そこで、私たちは、機械の変化にいち早く気づけるように、毎日機械のメンテナンスを行うだけでなく、機械から出る「音」に注意しながら作業を行なっています。ここが特に壊れやすいという箇所は、準備の段階で細かく確認して、機械の故障による大幅な工数増加が起きるリスクを極限まで減らしています。

――― 日々の地道な確認やチェックが、大幅な時間ロスを減らしているんですね。後で取り返しのつかないことになる前に、予め原因となる箇所をつぶしておく考えは大切です。

実際に輪転印刷機を用いて印刷をされているMさんと話すことで、品質に対してのこだわりや、会社としての取り組みを改めて知ることが出来ました。
サニーシーリングでは、高品質な製品を小ロットから大ロットまで生産可能です。また、インライン検査やフレキソ印刷機などの活用により生産性を高め、コストでもユーザーニーズにお応えできるよう、日々改善を重ねています。食品系から工業系、医療系や航空宇宙分野まで、さまざまな様々な業界のラベル製造で実績がございます。ぜひラベルの製作をご検討の方はお気軽にお問い合わせください。