材料共通化(LMS)でラベルの値上げ対策
原紙・粘着剤・フィルムなどの価格上昇が続く中、「今の品質は維持したいが、ラベルコストは抑えたい」という相談が増えています。
特に、品番ごとに材料仕様が細かく分かれている現場では、発注ロットの分散によって単価上昇や欠品リスクが起きやすくなります。
本記事では、こうした課題に対して同等仕様・同等性能の材料を共通化し、発注を集約する「LMS(Label Material Sharing)」の考え方を、実務で使える形で整理します。

なぜラベル・包装資材の値上げが止まりにくいのか
値上げは単一要因ではなく、複数要因が同時に発生することで長期化しやすくなります。
原材料・物流・エネルギーの複合要因
- 原紙・樹脂・粘着剤の原料コスト上昇
- 物流費や保管費の上昇
- 供給不安による調達リードタイムの延伸
その結果、見積単価だけでなく、緊急手配や代替評価にかかる間接コストも増加しやすくなります。
「個別最適」の積み重ねが調達を難しくする
製品ごとに材料が最適化されるほど、全体としては次の問題が出やすくなります。
- 小ロット多品種化による単価悪化
- 余剰在庫・廃棄ロス
- 材料切替の段取り工数増
- 特殊材依存による欠品リスク
LMS(Label Material Sharing)の基本
LMSは、必要品質を満たす範囲で材料を共通化し、複数案件の発注をまとめる調達設計です。

一言でいうと「フルオーダーからセミオーダーへ」
全品番で専用材料を使うのではなく、同等性能で置換可能な範囲を定義して、汎用材料を運用します。 これにより、コスト・供給・在庫のバランスを取りやすくなります。
LMSで期待できる3つの効果
- コスト最適化:ロット集約により単価交渉がしやすくなる
- 安定供給:共通材を計画的に確保し、欠品リスクを下げる
- 環境負荷低減:余剰在庫や材料ロスを減らしやすい
※ 参考実績として「見積上の材料費で約15%削減」の事例が示されることがありますが、効果は仕様・数量・運用条件で変動します。
LMS導入の進め方(調達・品質保証向け)
1. 現状棚卸し:材料の分散状況を見える化する
まずは、対象ラベルの以下を一覧化します。
- 基材、粘着剤、剥離紙、厚み
- 使用環境(温度、薬品、屋外耐候など)
- 年間使用量、最小発注量、調達リードタイム
- 不具合履歴(剥がれ、印字不良、変色など)
2. 共通化候補を選定する
「同等仕様・同等性能」で置換可能なグループを作ります。
この段階では、過度な共通化を避け、重要品質要件(例:耐薬品性・再剥離性)を優先して線引きすることが重要です。
この段階では、過度な共通化を避け、重要品質要件(例:耐薬品性・再剥離性)を優先して線引きすることが重要です。
3. 評価基準を統一して試験する

品質保証・生産技術と連携し、最低限次を確認します。
- 密着性(初期・経時)
- 印字適性(にじみ、擦過)
- 使用環境耐性(温湿度、薬品、摩耗)
- 貼付工程適合(手貼り/自動貼り)
4. 運用設計:在庫と切替ルールを決める
導入後は、共通材の在庫水準・補充点・代替ルールを明文化します。
「誰が、どの条件で、どの代替材に切替えるか」を決めておくと、調達トラブル時の初動が速くなります。
「誰が、どの条件で、どの代替材に切替えるか」を決めておくと、調達トラブル時の初動が速くなります。
失敗しやすいポイントと対策
価格だけで共通化を急ぐ
短期コストだけで判断すると、貼付不良や再印刷で総コストが悪化することがあります。
対策:品質要件を先に定義し、TCO(総保有コスト)で比較する。
対策:品質要件を先に定義し、TCO(総保有コスト)で比較する。
部門ごとに基準がバラバラ
調達、製造、品質保証で評価軸が違うと、承認に時間がかかります。
対策:評価シートと判定基準を共通化し、意思決定を一本化する。
対策:評価シートと判定基準を共通化し、意思決定を一本化する。
既存運用との役割分担が曖昧
特殊用途まで一律で共通化しようとすると、現場負荷が増えます。
対策:共通材と専用材の適用範囲を明確化する。
対策:共通材と専用材の適用範囲を明確化する。
FAQ
まとめ
ラベル・包装資材の値上げ局面では、単純な価格比較だけでなく、材料仕様そのものの設計を見直すことが重要です。
LMSは、品質を守りながらコストと供給リスクを同時に管理しやすくする実務的なアプローチです。
LMSは、品質を守りながらコストと供給リスクを同時に管理しやすくする実務的なアプローチです。
ラベル・包装資材の値上げ局面では、単純な価格比較だけでなく、材料仕様そのものの設計を見直すことが重要です。LMSは、品質を守りながらコストと供給リスクを同時に管理しやすくする実務的なアプローチです。

