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アメリカ市場進出の必須条件!ULラベル対応ガイド

アメリカ市場への進出を目指すメーカーにとって、製品の安全性を証明する「ULラベル」は欠かせない要素の一つです。UL(Underwriters Laboratories)は、米国およびカナダで広く認知されている安全認証機関であり、このUL認証ラベルがなければ、大手流通業者や販売店での取り扱いが制限される可能性もあります。
特に、電子機器、産業機械、医療機器、自動車部品、子供向け製品などを輸出する企業は、適切なUL規格に適合したラベルを用意しないと、販売の機会を逃してしまうことがあるため注意が必要です。
「UL969とUL94の違いは?どのラベルを選べばいい?」
「適切なULラベルを発注するためのポイントは?」
このような疑問を持つ企業の担当者も多いのではないでしょうか。本記事では、ULラベルの重要性、UL969・UL94などの規格の違い、そしてUL対応ラベル発注のポイントまで、詳しく解説していきます。
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アメリカ市場進出にULラベルが必要な理由

ULラベルとは?アメリカ市場における重要性
アメリカ市場へ製品を輸出する際、UL(Underwriters Laboratories)認証ラベルは、多くの業界で必須条件となります。ULラベルは、製品の安全性を証明するもので、家電、電子機器、産業機械、自動車部品など、幅広いカテゴリで求められます。
特に、アメリカではCPSC(消費者製品安全委員会)やOSHA(労働安全衛生局)が安全基準を厳しく管理しており、ULラベルがなければ流通が制限されることがあります。そのため、UL認証を取得し、適切なULラベルを貼付することが、スムーズな市場参入の鍵となります。
ULラベルを取得しないとどうなる?輸出時のリスク
UL認証を取得しないまま製品をアメリカ市場へ輸出しようとすると、以下のようなリスクが発生する可能性があります。
- 販売の制限: 大手流通業者や小売店では、UL認証のない製品を取り扱わない場合が多い。
- 法的トラブルの可能性: 安全基準を満たさない製品が発火・故障などの問題を引き起こした場合、訴訟リスクが高まる。
- 信用の低下: ULラベルがないことで、アメリカの消費者や企業に不信感を与え、ブランド価値が低下する。
OSHAでは、職場で使用される電気機器や設備が安全基準を満たしていることを確認するため、NRTL(国家認定試験機関)による試験と認証を要求しています。ULは、このNRTLの一つとして認められているため、ULが認証した製品は、NRTLの要件を満たすことになります。
〇情報リソース
https://www.osha.gov/nationally-recognized-testing-laboratory-program
(Occupational Safety and Health Administration, official U.S. government website)
UL969とUL94の違い

「UL969とUL94」この二つはどちらともUL認証というワードを含んでいるため、混同してしまうことがあります。特に電気製品の場合、その外装の多くはプラスチック製であり、その安全性を確保するために「UL94の認証を取ったプラスチック材料を使うべき」と考える方が多いです。そこにラベルを貼るとなると、「ラベルも同じようにUL94を満たさなければならないのでは?」と誤解しやすいです。
しかし「UL969とUL94」では、対象や目的が全く異なるため注意が必要となります。
UL969の対象と目的
UL969は、ラベルやシールの耐久性を保証する規格です。そのため対象は「製品に貼られるラベル、シール、バーコード等」になります。目的としては、ラベルやシールが「長期間剥がれない」「印刷が消えない」「過酷な環境でも安全に使える」ことを保証することにあります。
UL94の対象と目的
UL94は、プラスチック材料の燃焼性を評価する規格です。そのため対象は「電気製品や機械のプラスチック製部品等」になります。目的としては「火災発生時に燃え広がりにくいかを確認する」ことにあります。
UL969とUL94を混同しないためのポイント
- 「UL認証」といっても、規格毎に試験の目的が全く異なる: UL969はラベルの耐久性を評価し、UL94はプラスチックの燃えにくさを評価する。
- ラベル(UL969)と貼り付ける製品(UL96)は別々の評価が必要: 電気製品のプラスチック部品がUL94に適合していても、ラベルの性能は保証されない。また逆もしかり、ラベルがUL969に適合していても、プラスチック部品の性能は保証されない。
- UL969とUL94の比較 -
UL969 | UL94 | |
---|---|---|
対象 | ラベル・シール | プラスチック製品 |
目的 | 剥がれにくさ、耐摩耗性、耐薬品性 | 燃えにくさ、発火特性 |
試験結果 | 長時間に使用を保証 | 火災時の燃えにくさを保証 |
ULラベルの取得・発注の流れ

①適用するUL規格を確認する
製品の種類に応じて、UL969が適用されるかを確認。
※アメリカ市場への輸出を検討している製品に該当するUL規格を調査していただくことが可能です。
https://japan.ul.com/resources/department-list/
② ラベル仕様を決定する
・サイズ(例:85×20mm、82×15mm)
・印刷方式(レタープレス印刷、熱転写印刷、デジタル印刷)
・耐久性(耐熱・耐薬品・耐摩耗)
③ UL適合証明書の発行可否を確認する
アメリカ・カナダのバイヤーや流通業者に提出するために、UL適合証明書の発行可否を確認します。
④ 価格見積もりを取得する
コストと納期のバランスを考え、最適な発注方法を決定。印刷業界では、一般的にロット数が増えるほど、一枚当たりの単価を抑えられます。発注前におおよそのロット数を算出しておくことを推奨します。
⑤ サンプル作成・試験を実施する
使用用途を伝えた上で、サンプルの作成を依頼し、実際にラベルを貼り付けて耐久性や剥がれにくさをテストします。大量生産を予定している場合は、この段階で発注先の品質保証体制や生産管理体制を確認しておくことを推奨します。事前確認することで、サンプルでは問題がなかったものの、大量生産時に色ムラが発生したり、監査対応ができなかったりするトラブルを未然に防ぐことができます。
⑥ 本発注・納品を行う
大量生産を行い、輸出準備を整えます。
ULラベル対応に関するFAQ
Q1. ULラベルがないとアメリカへ輸出できないの?
A. 必須ではありませんが、大手流通業者や販売店ではUL認証ラベルのない製品を取り扱わない場合が多いため、取得するのが一般的です。
Q2. ULラベルの取得にどれくらいのコストがかかる?
A. ラベルの種類、印刷方式、ロット数によって異なります。 一般的には、大量発注するほど単価は安くなります。
Q3. 証明書の発行は可能?
A. UL適合証明書の発行可否は企業によって異なります。証明書が必要な場合は、事前に対応可能なメーカーを選ぶことが重要です。
