サニースタッフブログ
印刷会社を変えたら色が変わった…?ラベル印刷でブランドイメージを守る会社の選び方

「同じデータで入稿しているのに、納品された印刷物は毎回少し色が違う気がする…」そんな違和感を抱えたまま、ラベルの発注を続けていませんか?
特にブランドオーナーとしてPANTONEやDICなど、色調を厳密に管理している製品では、色のズレはそのまま"ブランドのズレ"にもつながります。そしてそのズレが積み重なると、お客様が気づかないうちに信頼の低下を引き起こしてしまうかもしれません。
今回の記事では…
といった点を、現場目線で分かりやすくまとめました。「そろそろ発注先の印刷会社を見直したい」「でも、新しい印刷会社に頼んでまた色がズレたら…」そんな不安を抱えるご担当者様のヒントになれば幸いです。
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ラベル印刷で色ズレが起きる主な原因
「前回と同じデータを入稿しているのに、仕上がりの色が微妙に違う…」こんな経験はありませんか?ラベル印刷における色ズレの原因は一つではありません。実は、いくつかの要因が複雑に絡みあって発生しています。ここでは、特に多い色ズレの4つの要因をご紹介します。
カラーモデル(RGBとCMYK)の違い
デザインデータは、パソコンやスマートフォンの画面上では「RGB(赤、緑、青)」という光の三原色で表示されます。一方、印刷は「CMYK(シアン、マゼンタ、イエロー、ブラック)」という4色のインキで色味を表現します。このRGBからCMYKへの変換過程で、色域(再現できる色の範囲)の差により、思ったような色が出ないことがあります。特にビビッドな蛍光色や鮮やかな青、緑といった色は、CMYKでは再現が難しくなります。そのため「データ(画面上)では鮮やかだったのに…」と感じる原因になります。

印刷方式の違いによる色再現性の差
一口に「(ラベル)印刷」といっても、その印刷方式はさまざまです。オフセット印刷、フレキソ印刷、デジタル印刷(オンデマンド印刷)など、それぞれ仕組みも得意分野も異なります。
例えば…
このように、元データが同じCMYKであっても、印刷方式によって色の出方は微妙に異なるため、「仕上がった現物が、予想していた色と違う」と感じることがあります。
印刷素材(紙やフィルム)の特性
同じインキを使っても、印刷する素材によって見える色は大きく変わっていきます。
例えば…
…このように、素材の吸収性、光の反射、下地の影響などにより、同じ色でも「違って見える」ことがあります。
環境要因(気温・湿度)やオペレーターの技量
印刷現場の気温や湿度も、インキの乾燥速度や紙の伸縮に影響します。特に梅雨時期や真冬などは、普段通りの印刷設定でも微妙にズレが出やすくなります。また、印刷機の調整やインキ濃度の微調整は、印刷オペレーターの経験と勘に頼る場面も多く、職人技に依存している現場では、印刷ロットごとの再現性が不安定になりやすい傾向があります。
このような「印刷された色調のばらつき」は、仮に「いつも同じ会社、同じ設備、同じ条件(設定、人、人材、環境その他)」で印刷し続けない限り、ゼロにはできません。しかしながら、実際にこれらの条件をすべて、常に一定にすることは簡単ではありません。簡単ではありませんが、それらをいかに一定に保ちながら品質を維持するかが印刷会社の技量であり、トータルでの「品質管理能力」といえます。
色ズレを防ぐためにできること

色ズレの原因がわかっても、「実際にどう対策すればいいのか?」という点は、印刷に詳しくないと難しく感じてしまうかもしれません。
しかし、安心してください。いくつかのポイントを押さえるだけで、色ズレのリスクはぐっと減らすことができます。ここでは、発注者側ができることと、印刷会社に確認すべき項目を、実践的にご紹介します。
正しいデータ形式での入稿
デザインデータを作成する際は、カラーモードや指定色の形式に注意が必要です。印刷用データは原則として「CMYK」モードで作成し、特色(PANTONEやDIC)を使用している場合は、必ず特色として指定しておきましょう。
また、PDF/X-1aなど印刷推奨形式で入稿することで、出力時の変換ミスや色ズレのリスクを大幅に減らすことができます。入稿前にカラープロファイルの有無や、レイヤーの統合状態なども必ず確認しましょう。
色校正(簡易 or 本機)の活用
色ズレを防ぐためには、「実際の出力で色味を確認する」ことが最も確実です。
簡易校正(DDCPなど)や本機校正を活用することで、量産前の色のブレを把握し、調整の余地を持つことが可能です。特にブランドカラーや繊細なグラデーションを扱う場合は、本機校正をオススメします。校正刷りに対する承認フローを社内で設けておくことで、社内外で色味に対する合意を得やすくなり、トラブル防止につながります。
素材・用途ごとの最適な設計
ラベルの用途や貼り付ける対象によって、用紙や印刷方法は大きく異なります。
たとえば、冷蔵品に貼るラベルと、常温保管の商品に使うラベルでは、選定すべき素材も印刷設定も変わります。また、ツヤのある紙とマットな紙では、同じインキでも発色が異なり、仕上がりの印象に差が出ます。用途に合わせて素材・印刷方式を最適化することが、結果として色ブレの少ない安定した仕上がりにつながります。
ラベル印刷会社を選ぶときに見る"3つのポイント"

色ズレのリスクを最小限に抑えるには、印刷会社選びが非常に重要です。一見どこも同じように見えても、設備・体制・対応の質によって「仕上がりの安定性」には大きな差が出ます。ここでは、ラベル印刷会社を見極めるための3つのチェックポイントを解説します。
CMSやCCMなど、色管理の仕組みがあるか
色の安定を実現するためには、「感覚」ではなく「数値」で色を管理する体制があるかが重要です。CMS(カラーマネジメントシステム)やCCM(Computer Color Matching)を導入している会社では、データから印刷物への変換工程をすべて可視化・管理できるため、色ズレのリスクが大幅に下がります。
特にPANTONEやDICなどの特色再現を重視する場合には、測色器や調色データベースなどの活用もチェックポイントになります。
フレキソ印刷など再現性の高い設備を持っているか
どんなにデータが正確でも、最終的な印刷品質は「設備」の性能に大きく左右されます。
フレキソ印刷機のように、色の安定性・量産性・素材対応力に優れた設備を持つ会社は、再現性の高いラベル印刷が可能です。特に再現性に差が出やすいフィルム素材や透明素材を扱う場合は、インキの透明度や印刷順序の管理を含めた対応力も重要です。
担当者の対応力と提案力
実際の印刷品質だけでなく、「どれだけユーザーに寄り添った提案ができるか」も会社選びの大切な基準です。デザインやデータに潜むリスクを事前に指摘してくれたり、素材や仕上げの最適な組み合わせを提案してくれる会社であれば、印刷トラブルを未然に防げるだけでなく、コスト・納期の最適化にもつながります。「仕様だから仕方ない」ではなく、「どうすれば改善できるか」を一緒に考えてくれるパートナーかどうかが、長期的な安心につながります。
当社が選ばれている理由:フレキソ印刷×CCMで色を「仕組み化」
色ズレを防ぐうえで重要なのは、「人の経験や勘に頼らず、再現性を仕組みで担保する」ことです。当社では、フレキソ印刷機とCCM(コンピューターカラーマッチング)を組み合わせることで、色再現の安定性を高いレベルで実現しています。単発の成功ではなく、「いつでも・誰でも・何度でも同じ色を出せる」体制づくりにこだわっています。
フレキソ印刷は、素材対応力と量産性に優れた印刷方式です。特にラベルやパッケージなど、使用素材や形状が多様な印刷物に対しても、均一でムラのない仕上がりを実現できるのが強みです。加えて、当社ではこのフレキソ印刷にCCMを導入し、色を数値データで管理・記録・再現できる環境を整えています。
たとえば、お客様から「前回と同じ色で」とご依頼をいただいた際には、過去の測色データと調合記録をもとに、同じ条件・同じインキで再現することが可能です。これにより、属人的な職人技術に依存しない、高精度かつ安定した色再現を実現しています。
ブランドカラーの安定は、製品の印象・信頼・差別化に直結する大切な要素です。
「再現性の仕組み化」に取り組んでいる印刷パートナーをお探しであれば、ぜひ一度当社にご相談ください。
