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サニースタッフブログ

冷凍検体も安心!超低温ラベルの選び方

2025-05-27
カテゴリ:技術コラム
冷凍検体・超低温ラベル

冷凍保存や超低温環境での検体管理において、「ラベルが剥がれてしまう」「文字が消える」といったトラブルに頭を抱えていませんか?
医療や研究現場では、-80℃という過酷な環境でも確実に情報を保持できる超低温ラベルの存在が欠かせません。適切なラベルを選ばなければ、実験結果の信頼性を損なうだけでなく、重大な管理ミスにつながるリスクもあります。

本記事では、-80℃の冷凍環境でも確実に貼り付き、印字も消えないラベルを探している医療・研究機関の技術担当者の方に向けて、適切なラベルの選び方や印刷時の注意点、そしておすすめ製品までをわかりやすく解説します。

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超低温環境におけるラベルの重要性

冷凍保存・検体管理の失敗原因とは?

医療・バイオ・研究の現場では、-80℃以下での冷凍保存が日常的に行われています。検体チューブやクライオチューブに貼られるラベルは、情報管理において極めて重要な役割を果たします。

しかし、このような超低温環境では、通常のラベルは下記のような問題を引き起こします。

  • ・粘着力の低下による剝離
  • ・結露や霜による印字のにじみ
  • ・インクリボンとラベル素材の相性不良による印刷トラブル

これらが原因で、サンプルの識別ができなくなり、再試験の手間や信頼性の低下を招いてしまうことも。冷凍保存は1回の失敗が実験全体を無駄にしてしまう可能性があるため、ラベルの選定と印刷方法の適切化は極めて重要です。

ラベルの不具合による影響は?

例えばですが、下記のような場面を想像してみてください。

  • ・長期保存していた検体のラベルが剥がれ、どの患者のものかわからなくなった
  • ・薬品や溶剤で印字がにじみ、読み取れなくなった
  • ・印刷後に冷凍庫へ入れたら、翌朝にはラベルが浮いていた

こうした問題は、品質管理上の信用問題にも発展する可能性があります。特にGLP(優良試験所基準)やGMP(医薬品製造管理基準)などの基準を満たす環境では、「貼って剥がれない」「読み取れる」ことは当然の条件です。
超低温ラベルは、そのような課題を解決するために専用の粘着剤や印字方式、素材設計がなされています。次の見出しからは、その特徴や選び方を詳しく解説していきます。

超低温ラベルの特徴と選定ポイント

ポイントを伝える白衣の画像

-80℃環境で使える素材と粘着剤について

‐80℃でも確実に貼り付き続けるラベルには、主に下記のような素材や加工が用いられています。

要素特徴例
基材(フィルム)PET・PPなどの合成素材。紙ではなく耐水性に優れたものが多い
粘着剤アクリル系・シリコーン系。低温で硬化しない特殊設計
ラミネート結露や摩擦から印字を保護。透明保護層付きも有り

特に「貼り付け時の温度」が重要で、常温で貼ったあとに冷却するタイプと、-80℃で貼付しても定着するタイプに分かれます。用途によって最適なラベルは異なるため、使用環境を事前に明確にしておくことが必要です。

熱転写印刷と感熱印刷の違いと選び方

印刷方式 特徴向いている用途
熱転写インクリボンを使ってラベルに転写する。高耐久・高精度長期保存・精度重視の研究ラベル
感熱感熱紙に直接印字。印字が早くコスト低一時的使用や内部管理用

冷凍保存に適しているのは熱転写印刷です。なぜなら、感熱印字は湿気・温度変化で色あせしやすいためです。プリンタの選定時は、ラベルとインクリボンの相性にも注意し、メーカー指定の組み合わせを使用するようにしましょう。

おすすめの超低温ラベル製品3選【比較あり】

GA International(アズワン)

GA International は、カナダ発のラベル専門メーカーでアズワン経由で日本国内にも多数導入実績があります。

GAInternationalの低温ラベル画像
超低温ラベル画像(出典:Cryogenic Labels for Frozen Surfaces

■主な特徴:

  • ・耐温性能:-196℃まで対応(液体窒素保存も可能)
  • ・印刷対応:熱転写プリンター
  • ・種類:チューブ用、クライオボックス用など
  • ・実績:海外の大学病院、研究機関に採用

■メリット:

  • ・既製品の中ではサイズ・材料バリエーションが豊富
  • ・FDA・RoHSなど各種認証も充実

■注意点:

  • ・海外製であるため納期や調達コストはやや高め
  • ・一部品番は日本在庫が無く、都度取り寄せ対応となる

サニー・シーリング

弊社は、宮崎県都城市に工場を構え、食品ラベルや工業ラベル等様々な業界で使用されるラベルを製造している企業です。-80℃環境下でも確実に貼り付き、常温に戻した際の結露でも剥がれない超低温ラベルを製造しています。

サニー・シーリングの低温ラベル画像

■主な特徴:

  • ・耐温性能:-196℃まで対応(液体窒素保存も可能)
  • ・印刷対応:熱転写印刷・プリンタ機種の相性検証実績あり
  • ・種類:病院の検体ラベル、大学の研究サンプル管理
  • ・実績:用途に応じてサイズや形状を変更可能

■メリット:

  • ・様々なメーカーのチューブに対して対応検証実績あり
  • ・専任スタッフによるサポートも手厚く、試作・相談もスムーズ
  • ・「低温+セキュリティ」といった複合ニーズにも対応

■注意点:

  • ・小ロット対応も可能だが、既製品に比べ値段がやや高くなる

《もっと詳しくサニーシーリングの超低温ラベルを見る》
超低温ラベル|サニー・シーリング

機能比較・使い分けのポイント

項目GA International(アズワン)サニー・シーリングその他国内メーカー
対応温度-196℃まで-196℃まで製品により異なる
印刷方式熱転写・レーザー熱転写熱転写が主
提供形態海外製品中心・豊富な規格日本製・柔軟なカスタム対応汎用品中心
特徴品質・機能ともに高い高品質・ユーザー寄りで実用的コスト重視が多い
おすすめシーン大規模研究所・高額試料管理臨床検査・大学・現場運用一般用途・費用抑制

導入判断のポイント:

  • ・汎用的かつ高品質なラベルが欲しいなら → GA International
  • ・柔軟な相談・試作や国内対応を重視するなら→ サニー・シーリング
  • ・予算が限られており、汎用ラベルで十分なら→ その他ローコストのラベルも検討余地あり

ラベル印刷・運用時の注意点とコツ

研究室でのラベルの使用様子

印刷時の設定とラベル用プリンター選定

超低温環境で使用するラベルは、素材と印字方式の相性が非常に重要です。とくに医療・研究現場では、印刷内容の視認性や耐久性がデータの信頼性に直結します。

推奨プリンターと設定のポイント

  • 熱転写プリンターがおすすめ:耐候性・耐薬品性に優れたリボン印刷が可能です。
  • 印刷密度は300dpi以上を目安に:バーコードやQRコードなども正確に読み取れます。
  • 出力時のスピードを落とす:ラベル表面への定着が良くなり、かすれやムラを防げます。

実際にラベルを使う前に、必ず数枚でテスト印刷を行いましょう。特にサイズや厚みによるプリンターとの相性確認は必須です。弊社では事前に使用環境をヒアリングし、適切なプリンターの選定もお手伝いさせていただきます。

剥がれないためのラベルの貼り方

‐80℃環境での使用を想定したラベルは、貼り方にも工夫が必要となります。

■貼付け前の確認ポイント:

  • ・ラベルを貼り付ける容器やチューブの表面に霜や水滴が残っていないかを確認(ラベルと被着体表面の間にスペースが生まれ、ラベルが接着しづらくなる原因になります)
  • ・常温環境で貼付けること。冷凍保存後の貼付けは接着力が発揮されにくくなります。
  • ・貼り付け後に指やローラーでしっかり押さえることで、粘着面と被着体の隙間を無くし、密着度を高めます。

■よくあるNG貼付け例:

  • ・ラベルを空気が入った状態で「ペタッと」軽く貼る
  • ・凍結後の試料にラベルを貼る
  • ・湿度が高い環境や素手で触れた後に貼る

これらはすべて、剥がれや印字劣化のリスクにつながるため注意してください。

トレーサビリティを保つ管理方法

正しくラベルを貼り、印刷しても、「管理方法」が雑だと情報の信頼性が失われます。

■推奨される管理方法:

  • バーコードやQRコードによる試料識別:ラベル面にデータを入れてスキャン管理を徹底する
  • 一元管理表の作成:保存日・使用者・内容物などをExcelや専用ソフトで記録
  • ラベル劣化チェック:冷凍保存中のサンプルでも、定期的にラベルの印字状態を目視確認する仕組み・運用ルールを導入
  • ロット番号・個体IDの記録:再現性や追跡調査が求められる研究では必須です

サニー・シーリングでは、トレーサビリティの強化を前提としたカスタムラベル設計(連番・QRコード印字)も可能です。

まとめ|トラブルゼロのラベル運用へ

超低温ラベルを液体窒素から取り出す様子

超低温ラベル導入の前に確認すべき3つのこと

-80℃対応の超低温ラベルは、医療・研究現場におけるミスの「最後の砦」とも言える重要な存在です。しかし、導入時の確認不足によって「剥がれる」「印字が読めない」「プリンターと相性が悪い」といったトラブルも少なくありません。

以下の3点を事前にしっかりと確認しておきましょう。

  • 1.保存環境に適した素材か?

    使用条件(温度・湿度・被着体)と、ラベルの素材・粘着剤の特性が合致しているかを確認。

  • 2.使用予定のプリンターで印刷可能か?

    印字方式(熱転写/感熱)、リボンとの相性、印刷精度などをテストする。

  • 3.貼り付け工程に無理がないか?

    現場のオペレーションの中で、確実に「霜取り→貼付→押さえ」が行えるかをチェック。

問い合わせ・サンプル入手のすすめ

超低温ラベルは、現場に合った仕様であるかどうかを実際に使ってみないと分からないことが多々あります。
サンプル提供やヒアリング対応が柔軟なメーカーを選び、早期の問い合わせ・実機テストを強くおすすめします。

◎ 特におすすめなのは、以下のようなメーカーです:

  • ・要望に応じて「小ロットから対応」
  • ・「独自開発品(例:セキュリティ×-80℃対応)」を持っている
  • ・「現場用途に合わせた提案力」がある

サニー・シーリングでは、お客様の用途に応じた無料の事前相談・サンプル提供を承っております。お問い合わせ後は専任のスタッフがお客様の仕様環境に合わせて適切なソリューションを提供いたします。

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