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サニースタッフブログ

製造現場の課題を解決する貼付治具開発

2025-06-03
カテゴリ:技術コラム

製造ラインにおける「ラベル貼り工程」で、こんな悩みを抱えていませんか?

  • ・ラベル位置がズレやすく、品質のばらつきが発生している
  • ・手貼り作業による人件費やミスが増えている
  • ・製品形状や素材が特殊で、市販のラベラーでは対応できない
  • ・治具を内製してきたが、再現性や耐久性に課題がある

こうした現場の悩みを根本から解決するのが、「カスタム対応のラベル貼り機」や「専用治具」の設計・開発です。本記事では、既製品では対応しきれない製造現場の課題に対して、御社専用のラベル貼り機・治具をどう設計し、導入すべきかをわかりやすく解説します。実際の導入事例も交えながら、問い合わせ前に知っておくべき情報を網羅的にご紹介します。

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なぜ「カスタムラベル貼り機・治具」が求められているのか

製造ラインでラベルを貼る様子

市場の多様化と製品個別対応の時代へ

これまでの製造業では、同じ仕様の製品を大量生産する「画一型」の生産が主流となっていました。しかし現在では、少量多品種・個別対応が当たり前の時代となり、製品の形状・素材・使用環境に大きなバリエーションが生まれています。
この変化は「ラベルの貼り作業」にも強く影響を及ぼしています。従来の汎用ラベラーでは対応しきれないケースが増加し、現場では製品ごとに最適化されたラベル貼り機や治具の設計開発が必要とされてきています。

汎用品では限界?製造現場のリアルな悩み

例えば下記のようなケースは、既成のラベラー、手貼りでは対応が難しい状況にあります。

  • ・湾曲した曲面、凹凸のある部分への正確なラベル貼り作業
  • ・粘着力や剥がれの条件に配慮が必要な特殊素材への対応
  • ・作業スペースが限られており、コンパクトな装置が求められる場合
  • ・低温・高温・高湿などの特殊環境下での作業

こういった課題を解決するには、現場の状況と製品仕様に合わせた"専用機"の設計が最も確実な手段となります。

カスタム設計だからこそできる「高精度・省人・安定品質化」

専用のラベル貼り機・治具を設計することで、下記のような効果が期待できます。

  • 貼付精度の向上:製品ごとに適した貼付け力や位置制御を設計段階で最適化
  • 作業者の負担軽減:治具で製品を固定し、自動でラベルを貼り付けることで作業時間の短縮。また、手貼りの際と比較し、作業者の身体的負担も減らすことができます
  • 品質の安定化:誰が作業しても同じ仕上がりを維持可能。属人化のリスク回避
  • トータルコストの削減:初期投資により、長期的には人件費や不良率削減に貢献

現場課題に直結するこのような効果は、オーダーメイドの機械・治具だからこそ実現可能です。

既製ラベラーでは解決できない現場課題とは

頭を抱える作業員

ラベル素材・形状・貼付箇所が特殊

仮に御社の製品が、下記のような仕様であればどうでしょうか?

  • ・表面がざらついた特殊素材(例:ポリプロピレン、粉体塗装等)
  • ・数ミリ単位の小さなラベルや、細長い特殊形状のラベル
  • ・側面や傾斜のある部分への貼付けが必要

このようなケースでは、既成のラベラーや汎用の治具ではうまく機能せず、「どうしても人の手に頼らざるを得ない」という状況に陥りがちです。しかし、こうした特殊仕様にも対応できる設計力がある"豊富なラベルに対するノウハウを持っている業者"に依頼することで、解決の道は開けます。

手貼りによる品質のムラと作業負荷

現場作業員による「手貼り」は、一見シンプルに見えますが、実はさまざまなリスクを抱えています。

  • ・作業者ごとのクセによって貼る位置が微妙にズレてくる
  • ・長時間作業による疲労でミスが発生
  • ・ラベルのしわ・気泡・浮きなどによるクレームリスク
  • ・作業に習熟するまで時間がかかり、人材育成コストも発生

手貼り作業は、熟練した作業者であれば機械よりも早く作業を進められる場合があります。しかし、その反面、作業が特定の人に依存する「属人化」が避けられません。現在では人材の確保が難しく、従業員の入れ替わりも激しくなっているため、こうした属人化から早期に脱却することが求められています。

ラベル貼り機・治具の設計開発プロセス【工程別に解説】

プロセスを描いている様子

カスタムラベル貼り機や専用治具の導入にあたっては、「どのようなプロセスで進むのか?」という点が気になる方も多いのではないでしょうか。ここでは、一般的な設計開発の流れを4ステップに分けてご紹介します。

STEP1:要件ヒアリング・現場課題の抽出

最初に行うのは、現場の現状把握と課題整理です。
製品のサイズ、ラベル素材、貼付箇所、作業環境、希望する作業人数など、詳細な情報をもとに、導入目的や「何に困っているか」を明確にします。

  • ・実際の製品・サンプルを確認
  • ・貼付に必要な精度や処理能力のヒアリング
  • ・工程全体における位置づけの確認(前後の作業との関係)

この段階で課題を言語化しておくことで、後の設計精度が大きく変わります。

STEP2:試作治具・テスト装置の提案と評価

次に、ヒアリング内容をもとに簡易的な治具やテスト機を製作し、動作確認を行います。

  • ・実際の製品に貼ってみて、貼付位置や精度を検証
  • ・作業者の操作性や安全性の確認
  • ・使用環境への適合テスト(温度、湿度など)

この段階では、「最初から完璧なものを作る」のではなく、早めに試して調整していくスタンスが重要です。

STEP3:本設計・製作・納入までの流れ

テストを経て仕様が固まったら、いよいよ本設計に入ります。

  • ・CAD等による設計・モデリング
  • ・部品調達、加工、組立
  • ・動作確認・社内検証
  • ・現場での据付・立ち上げ支援

装置の場合は、操作マニュアルやメンテナンス資料の提供まで対応可能です。

STEP4:導入後のサポート・再設計の提案

納入後も、実運用を見ながら改善点のフィードバックを受け、必要に応じた改良提案を行います。

  • ・新製品への切り替えに伴う治具調整
  • ・装置の追加ユニット化やライン統合
  • ・メンテナンスサポートや定期点検

一過性の対応ではなく、「現場改善のパートナー」として継続的な関係を築ける点が、信頼できるメーカー選定の鍵となります。

実際の開発例|品質安定&工程削減を実現したケース

ここでは、実際に弊社が開発したカスタムラベル貼り機や治具の事例をいくつかご紹介します。導入効果をリアルにイメージしていただくために、課題と解決策、導入後の成果までをまとめています。

医療業界|ラベル剥離にかかる工数の削減

  • ■ 課題:ラベルを貼り付ける際に生じる剥離作業に時間がかかる
  • ■ 対応:自動ラベル剥離装置(ラベルピーラー)の導入
  • ■ 効果:従来まで一枚当たり4秒かかっていた剝離作業を1秒に削減
貼り機を用いてアンプル瓶にラベルを貼る

食品業界|瓶へのラベル貼付け作業の工数削減

  • ■ 課題:ラベルを瓶に貼る際、シワやズレが発生し、貼り直し作業が1日に何回も発生していた
  • ■ 対応:ラベル貼付け装置の導入
  • ■ 効果:簡易的なラベル貼付け装置を設計・導入することで不良率が30%から3%に減少
簡易貼り機を用いて焼酎用瓶にラベルを貼る

これらの事例からも分かるように、「製品や工程に合わせた専用設計」によって、目に見える形で業務改善・品質向上が実現しています。

よくある質問と対応例(コスト・納期・メンテなど)

カスタムでラベル貼り機や治具の導入を検討されているお客様から、以下のようなご質問を多くいただいています。こちらでは、特によくあるご質問にお答えいたします。

Q1.ざっくりでも良いので、費用の目安はありますか?

A. 製品仕様や貼り付け箇所の難易度によって大きく異なりますが、下記が一般的な目安となります。

  • 治具単体や簡易装置:10~50万円程度
  • ラベル貼りユニット:100~300万円程度(※被着体の搬送装置は含まず)

※完全自動化や複数の製品に対応する装置、大型設備などの場合は、さらに高額となることがほとんどです。
まずはヒアリングを通じて仕様を確認し、無料でお見積もりいたします。お気軽にご相談ください。

Q2.納期はどのくらいかかりますか?

A. 試作含む小型治具であれば、2〜4週間程度。簡易装置の場合は設計〜納入まで約2〜3カ月が目安です。
製品点数や仕様の複雑さによっても変動しますので、事前にスケジュールのご希望をお伝えいただければ、柔軟に調整いたします。

Q3.どのくらいまでカスタマイズできますか?

A. 製品サイズ、貼付面、貼る位置、ラベルの供給方法など、ほぼすべての工程に対して柔軟な設計対応が可能です。「特殊形状」「狭小スペース」「複数ラベルの同時貼付」など、汎用機では難しいケースこそ、カスタム設計の真価が発揮されます。

Q4. メンテナンスや保守体制は?

A. 導入後も安心してご使用いただけるよう、サポート体制を整えています。

  • ・部品の再手配や交換
  • ・製品切り替え時の調整や改修
  • ・試作評価を踏まえた最適化のご提案…など

ご使用中のお困りごとがあれば、いつでもご相談ください。迅速な対応を心がけております。

まとめ:課題解決の第一歩は、相談から

ラベルを手貼りしているオペレーター

製造現場での「ラベル貼り」は、見落とされがちですが、品質・コスト・作業効率に直結する重要な工程です。そして、その工程が「なんとなくうまくいかない」と感じているなら、それは既製のラベラー・人の手では対応しきれないシグナルかもしれません。
弊社は、単に装置を作るのではなく「どのようにしたら現場の課題が解決するか」を総合的に考え、共に設計する技術パートナーを目指しています。

もし、下記のようなお悩みがあれば…

  • ・既存の貼り機が合わず、品質が安定しない
  • ・製品の変更に伴い、治具の調整が追いつかない
  • ・作業員の負担が大きく、自動化したい
  • ・自社製品にぴったりのラベル貼り治具を試したい

ぜひ下記バナーをクリックし、お気軽にご連絡ください。

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