【仕様検討の実例紹介】透明シールで一部だけ接着しない仕様は可能か?湿気環境・樹脂コンテナでのご相談事例

「透明シールで、一部だけ接着しない仕様はできますか?」
これは、弊社が実際によく受けるご相談のひとつです。一見するとシンプルな透明のシールですが、使用環境や剥がし方まで含めて考えないと、現場でトラブルになりやすい仕様でもあります。今回は、湿気のある環境で、樹脂製コンテナに使用するシールについて、実際のご相談内容をもとに、検討ポイントを整理します。
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実際にあったご相談内容
お問い合わせ内容は、次のようなものでした。
・透明のシールを、樹脂製のコンテナに貼って使用したい
・水には濡れないが、湿気のある環境
・サイズは50×80mm
・片端10mmは接着しない仕様にして、そこからめくって剥がせるようにしたい
このようなシールは製作可能でしょうか?
「製作できるかどうか」だけでなく、実際に使ったときに問題が起きないかを気にされている、非常に現実的なご相談です。
すぐに「可能です」と答えなかった理由
透明シールで一部を非接着にする仕様自体は、技術的に珍しいものではありません。ただし、この段階で私たちが重視したのは、貼った後の状態が安定するかどうかでした。
- 湿気のある環境
- 樹脂素材への貼り付け
- 意図的に「浮かせる部分」がある設計
これらが重なると、想定外の剥がれや浮きが起きやすくなるためです。
最初に整理した判断ポイント
このご相談では、社内で次の点を重点的に確認しました。

1. 樹脂コンテナへの貼り付け条件
樹脂素材は種類によって表面エネルギーが異なり、同じ糊でも接着の安定性が大きく変わります。
特に湿気環境では、
- 端部からの浮き
- 糊の劣化による接着力低下
が起きやすく、素材選定が重要になります。
2. 「一部だけ接着しない」作り方
ラベルの一部だけ接着しない(非接着)仕様のことを、当業界では一般的に「のり殺し」と呼称しています。工法としてはシンプルで、ラベルの糊面(裏面)にシリコン成分を含んだインクを部分的に塗布(印刷)することで接着効果を無くし、接着部分と非接着部分を構成する手法になります。この他にも、糊面に対し部分的にフィルムをラミネートすることで接着力を無くす工法などもあります。
非接着部分を作る方法はいくつかあります。
- 糊殺し加工
- 剥離処理
どの方法を選ぶかによって、
- めくりやすさ
- 使用中の安定性
- 見た目(透明シール特有の糊ムラ)
が大きく変わります。
3. 実際の剥がし方・使用頻度
「めくって剥がせる」と言っても、
- 一度きりで剥がすのか
- 何度も貼り替えるのか
- 手袋をした状態で作業するのか
によって、適した設計は異なります。
ここを確認せずに仕様を決めると、使いにくいシールになるケースが少なくありません。
この仕様で起きやすいトラブル
透明シール+一部非接着仕様では、次のようなトラブルがよく見られます。
- 非接着部分から湿気が入り、浮きが広がる
- 剥がしやすくした結果、通常使用中にめくれてしまう
- 透明素材のため、糊ムラや浮きが目立つ
「貼れる」だけでは問題なくても、
現場で使うと違和感が出るケースが多いのが特徴です。
今回の対応について
今回のケースでは、
- 使用環境の詳細確認
- 剥がすタイミング・頻度のヒアリング
- 実際の素材サンプルを用いた説明
- 概算見積の事前準備
を行ったうえで、訪問での打ち合わせを実施しました。仕様を一緒に整理した結果、設計内容に納得いただき、受注につながっています。
まとめ:一部非接着(のり殺し)の透明シールで失敗しないために
透明シールで一部を接着しない(のり殺し)仕様は、「できるかどうか」よりも「どう設計するか」が重要です。今回のようなケースでは、少なくとも次の3点を整理する必要があります。
- 貼り付け対象の樹脂素材
同じ樹脂でも、接着の安定性は大きく異なります。素材が分からないまま仕様を決めるのはおすすめできません。 - 非接着部分を作る方法
糊抜き・剥離処理・構造設計など、方法によって「めくりやすさ」と「使用中の安定性」が変わります。 - 実際の使用環境と剥がし方
湿気の有無、剥がす頻度、作業条件によって、適した設計はまったく異なります。
この3点を整理せずに進めると、
「貼れるが使いにくい」
「剥がせるが勝手に浮く」
といったトラブルにつながりやすくなります。
近い内容で検討中の方へ
今回のようなご相談は、
- 仕様がまだ固まっていない
- 「できるかどうかが分からない」段階
でも問題ありません。
サニー・シーリングでは、一部非接着(のり殺し)・透明素材など、仕様検討の段階から対応しています。使用環境や現行品の情報だけでも構いませんので、お気軽にお問い合わせください。


