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サニースタッフブログ

光学製品の精密工房:技術者の挑戦と達成感。

2024-03-08
今回は、弊社の「光学フィルム加工」に関する記事をお届けします。±数十μmの高精度な加工を行っている現場では、どのような取り組みが行われているのか。光学フィルムの加工を担当しているIさんに、貼合・加工時に留意していることをお聞きしました。
フィルムの抜き加工をするオペレーター
――― 光学フィルムの取り扱いについて留意していることはありますか。

Iさん:光学フィルムは非常に高価で、量産品で1枚あたり数千円から数万円もします。ユーザーから支給される特殊開発品の場合は、「値段がつけられない」ほど高価……と聞くこともあります。だからこそ、フィルムを持つ際の手の位置、運び方などに細心の注意を払うようにしています。落としてしまったらもう終わりですからね。常に緊張感が漂う現場で作業しています(笑)

――― 光学フィルムの貼合・加工時に留意していることはありますか。

Iさん:シール印刷事業と大きく違う点として、材料の予備がない点が挙げられます。例えば「100個の製品を加工してください」という依頼であれば、ちょうど100個分の材料のみ支給されます。すなわち、歩留まり100%を達成しなければならないということです。
そのため、常にミスなく安定して品質を保てるように、人の手が介在しないよう機械化を行うようにしています。ただ機械を用いた加工であっても、点検を怠ると不良品を出してしまうので、毎日の点検は細かいところまで見ています。点検項目も弊社の他事業に比べて事細かに設定されていますね。
カットされた偏光板を掴む様子
――― これまで難しい案件が数多くあったかと思いますが、どの案件が一番苦労しましたか。

Iさん:基本的に光学フィルム案件は難しいものが多いのですが、特に難しく感じたのは
「1本刃で製品を四角形に抜き、かつフィルムを剥がしやすくするために、外周に0.6mmのスペースを空ける」というものです。なかなかいいアイデアが思いつかず、2カ月ほどかかりましたしたが、無事形にすることが出来ました。あの時は嬉しかったですね。
最終的に量産化はされませんでしたが、社内にある加工機の中でできることを研究し、チャレンジした甲斐あって、当社の技術と知識も飛躍的に伸ばせたと思っています。今ではいい思い出です。

――― 難しい案件を乗り越えるためにやっていることや、意識していることを教えてください。

Iさん:とにかく手を動かしてやってみることですかね。よくある、「仮説を立てて、入念に準備した状態で取り掛かる」のは、正当なやり方だと思います。ただ、私自身のスタイルとしては、とにかく「考える前にやってみる」ことを意識しています。「できる、できない」は、やってみないと分からないですからね。仮に上手くいかなくても、なぜ上手くいかなかったのかを考えて解決策を出していけば、最終的に目的を達成することができます。
また、案件の難易度が高ければ高いほど、達成できた時の喜びが大きいので、「何が何でも解決してやろう」と考え続けています。いかなる時でも。先程お話しした「材料を無駄なく加工するためのアイデア」に関しては、帰宅後も四六時中、頭から離れません。食事をするときも、ゲームをしている時でも、「何かいいアイデアはないか」と考え続けています。ずっと考えているからこそ、ふとしたタイミングで閃きが起こるのかなと思います。
貼合されたフィルムを検査する様子
――― 最後に、今後行っていきたい取り組みなどがあれば教えてください。

Iさん:今やってみたいことを挙げるとすれば、印刷ですね。私はこれまで光学フィルムの加工に携わってきたので、印刷に関する知識がまだ不足している状態です。印刷の技術や知識を新たに身につけていくことで、これまで蓄積してきた光学の知識を合わせた、面白い製品ができるのではないかと思っています。知識のかけ合わせで付加価値の高い製品を生み出していきたいですね。


弊社では、クリーンかつ高精度な光学フィルムの加工を通じて、これまで世にない、新しい製品を形にするお手伝いをしています。これからも技術と品質、そして現場担当者の熱いスピリットで、お客様に喜んでいただけるようなものづくりに努めてまいります。

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