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サニースタッフブログ

工場の在り方が変わる。サニーシーリングのスマート工場化への動き

2024-03-12
今回は、弊社の「生産技術」に関する記事をお届けします。新たな生産技術の確立、設備やジグの設計を担う製造支援課。そんな当社の生産の要である製造支援課では働くKさんに、生産性向上のためにおこなっている取り組みや、開発エピソードなどについてお聞きしてきました。
製造支援課員が作業している様子
――― 製造支援課とは、どのような課でしょうか。

Kさん:課名だけでは業務内容が分からないですよね(笑)。製造支援課では、主に設備・ジグの開発や、生産性向上のための設備導入を行なっています。一言で言うなら「工場の困りごとを解決する仕事」です。現場の声を聞いて問題点を見つけ、工場全体をより良いものにする仕事ですね。

――― 設備の設計から設備導入後のフォローまで、ものづくりに広く携わっている業務ですね。
設備やジグの開発を行う上で、意識していることなどあったりしますか?

Kさん:安全であること、現場の方が実際に使用してもらえるような高い利便性を備えていること。この二つの条件を満たすようなものづくりをおこなっています。安全を保障することは大前提ですが、「実際に使ってもらえる」、これが意外と大切になってきます。
いかに私が技術的に素晴らしく、生産性が改善されるものを作ったとしても、実際現場で働く方々が使わなければ意味がありません。設備導入による負荷が少なく、便利だと思ってもらえることが重要です。安全性・作業性・メンテナンス性が全て高いものが理想的ですね。
CADを使って設計している様子
――― これまで開発してきた設備やジグの中で、特に思い入れのあるものはありますか?

Kさん:これまで多くのものを開発してきましたが、(仕上げ装置の)折り機と合わせて使用する「つなぎ作業用の設備」は、一番の出来だと思っています。企業秘密となるので、詳細なことは言えないのですが、その設備は、つなぎ工程時(製品同士をつなげる工程)のヒューマンエラーを無くすことに現在でも非常に役立っています。不良品を出さない仕組みはもちろんですが、従来の作業工程よりも楽で、作業時間も大幅に短縮できるような設計にしてあります。作業者だけでなく、工場を視察に来られたコンサルタントの方からも、お褒めの言葉をいただきました。使用者への配慮が功を奏した良い事例だと思っています。

――― 実際に自分の設計したものが活かされ、褒めてもらえるのは設計者として非常に嬉しい瞬間ですね。
現在当社の製造部門では、スマート工場化に向けた取り組みが盛んにおこなわれているとお聞きしましたが、実際に取り組まれている事例があれば教えてください。

Kさん:そうですね。当社ではIoT技術やAIを活用したスマート工場として、IE(Industrial Engineering)活動を推進しています。画像検査装置の導入や、センサーを用いたリアルタイムでの工場の稼働状況把握が、具体的な活動内容になります。特に稼働状況の把握に関しては、効果的なデータの収集や分析が可能となっているため、スマート工場化で重要になる「作業の見える化」に大きく貢献しています。また最近あった事例ですが、生産設備の故障時に設備をネットに接続し、遠隔で故障対応をしていただきました。従来であればエンジニアを派遣していただく必要があったので、最悪の場合、数日間ラインを止める必要がありましたが、現在では数十分で復旧することも可能となりました。当社の中でスマート工場化は確実に進んでいると思います。
工場の稼働状況をモニタリングしている様子
――― 作業の見える化、故障時の遠隔対応……。従来の工場では考えられなかった在り方ですね。最近ではAIの活用が進み、ものづくりが大きく変わる。なんて世間では言われていますが、サニーシーリングのスマート工場化の中にもAIの活用などが含まれているのでしょうか。

Kさん:そうですね。実際に今AIを活用した画像分析、収集したデータの分析を進めている最中です。現在の画像検査装置では「この製品は不良品です」という不良品かそうでないかの判断は可能ですが、それが一体どんな不良なのか?という区別はできません。しかし機械学習機能を搭載したツールを用いることで、どんな不良がどのくらいの確率で起きているのか……という情報を得ることができるようになります。
このデータ分析が可能になる事で、不良率低減のための効果的な施策が打てるようになるのはもちろんのこと、「この製品はこんな不良が起きやすいから、予め別の形にしておこう」という予測が、データをもとに算出できるようになります。我々生産する側にとっても、お客様にとって非常にメリットの大きい取り組みになるのではないかと思っています。

――― AI技術の進化により、効果予測も非常に精度の高いものになっていくのですね。データの活用がスマート工場化のカギですね!

最後に、今後の抱負などをお聞きしたいです。

Kさん:今の私の目標は「業界内で最も生産性の高い工場」を目指す事です。生産性を向上させるために、さまざまな工夫を行なっていますが、それでもまだアナログで非効率な作業を行っている所も残っています。シール業界で最も優れている工場を持っているのはサニーシーリングだよね……と言われるよう設備の改善を行なっていきたいです。
またIoT技術の活用やAIの活用は、あくまで生産性向上のための手段であって、目的ではないので、頭でっかちにならないように、あらゆる業界や情報に目を向けていこうと思っています。


――― これからもサニーシーリングは、高品質な製品をスピーディーにお届けできるよう、生産体制を整えていきます。ラベルの製造からジグ、設備の開発までワンストップ対応を行なっていますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。
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