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サニースタッフブログ

【2025年最新版】GHSラベル完全ガイド|一覧・無料ダウンロード・作成ルールを徹底解説!

2024-08-13
カテゴリ:技術コラム
GHSラベル記事アイキャッチ画像。GHSラベルで使用するシンボルとタイトルが表示されている。

化学品・薬品を扱う企業にとって、GHSラベルの正確な作成と運用は、法令遵守だけでなく顧客や取引先からの信頼を守るために不可欠です。
2025年現在、令和6年4月の法改正により発がん性などの高リスク化学物質(234物質)へのGHSラベル表示が義務化され、多くの企業が対応を迫られています。

本記事では、GHSラベルの基本知識から、具体的な記載方法、SDSとの違い、無料ダウンロードテンプレートの紹介、さらに基材やインク選定に関する専門的アドバイスまで、現場で役立つ情報をプロ目線で徹底解説します。

初めての方はもちろん、法令変更に合わせた見直しを検討中のご担当者様も、この記事を読めばGHSラベル対応のすべてがわかります。
GHSラベルとは?基礎と最新法令のポイント(2025年対応)
GHSとは?
GHS(Globally Harmonized System of Classification and Labelling of Chemicals)とは、化学品の危険性を国際的に統一した基準で分類し、表示するための仕組みです。国際連合(UN)が提唱し、世界各国が法令整備に取り入れています。
GHSラベルは、化学品の容器や包装に貼付するラベルで、使用者や輸送者が一目で危険性を理解できるようにするための重要な情報源です。

 2025年対応:令和6年4月からの法改正とは?
2024年度の法改正により、以下の化学品についてGHSラベルとSDSの表示・交付が義務化されました。

  • 対象物質:発がん性、生殖細胞変異原性、生殖毒性、急性毒性のいずれかで「区分1」に分類された物質
  • 対象件数:234物質

この変更により、対象化学品のGHS対応が「任意」から「義務」へと変わり、法令違反には罰則が適用される可能性もあります。

■ GHSラベルに必要な主な情報
GHSラベルには、以下の項目を記載することが推奨・義務付けられています。

項目内容例
製品名(化学品名称)SDSと一致させること
絵表示(ピクトグラム)
赤いひし形内に黒いシンボル(例:爆発、腐食等)
注意喚起語危険(Danger)または警告(Warning)
危険有害性情報吸入すると致命的、有機溶剤中毒の恐れなど
注意書き保護手袋の着用、換気の良い場所での使用など
供給者情報製造元・販売元の氏名


GHSラベルとSDSの違いをプロが分かりやすく解説

■ よく混同されるGHSとSDS、その違いとは?


比較項目GHSラベルSDS(安全データシート)
目的視覚的・直感的に危険性を伝える詳細な取り扱い・保管・応急処理方法を伝える
形式シールやステッカー、容器に直接貼る形式A4文書やPDFなど、文章形式
記載内容ピクトグラム・注意喚起語・供給者情報など成分、物理化学的性質、応急措置、法令情報など
更新頻度ラベル内容が変更されない限り同一情報更新ごとに見直しが推奨される

GHSラベルは現場での「一目で危険を伝える」ために、SDSは「実務担当者が詳細を確認するため」の資料です。
両方が揃って初めて、安全管理が成り立ちます。


■ なぜSDSとGHSラベルはセットで考えるべきか?

・SDSの情報をもとにGHSラベルの記載内容が決まるため、片方だけでは不完全であるため
・製品を他社や海外に供給する場合も、両方が揃っていることで「法令遵守」「品質管理」の信頼を獲得できるため。
GHSラベルの正しい作り方【ダウンロード付き解説】

■ レイアウトの基本ルールとポイント

絵表示・注意喚起語・危険有害性情報は、まとめて近くに配置することが推奨されています。
・絵表示の背景は白、縁は赤枠で正方形を45度回転(菱形)にするのが国際基準です。
・複数の絵表示を使う場合は、危険性の高い順に並べるとより明確です。


■ GHSラベルのテンプレート・ダウンロードサイト紹介

以下の公的機関サイトでは、無料でGHSラベルの分類ガイダンス、テンプレートやピクトグラム画像を入手可能です。
GHSラベル製作にお役立てください。


テンプレートのカスタマイズには、Adobe illustratorやExcelなどが使いやすく、外注業者への入稿にも対応しやすい形式です。
素材・インクの選び方|ラベル印刷のプロが教える実務の要点
注意シンボルを胸の前で掲げている作業員の画像。

■ GHSラベルが剥がれる、にじむ…その原因は「基材選定ミス」

GHSラベルは内容だけでなく、物理的な耐久性も重要です。
例えば、有機溶剤や紫外線にさらされる化学品容器に、一般的な紙ラベルを使うと、すぐに劣化・剥離する危険があります。

■ 用途別ラベル基材の選び方(一例)

使用環境推奨素材理由
屋外・直射日光ポリエステル(PET)UV・対候性に優れる
溶剤に接触合成紙+耐溶剤インクインクのにじみ、剥がれ防止
冷凍・低温アクリル系粘着剤凍結しても粘着力を維持
医療・衛生用途ノンハロゲン素材等環境規制に配慮、焼却しても有害ガスが生じない

■ 印刷会社を活用するメリット

専門のラベル業者に依頼するメリットは下記の通りです:
・ラベル基材とインクの最適な組み合わせ提案を受けられる
・法改正や社内監査にも対応できる仕様書付きで納品される
試作・小ロット対応で初めての導入でも安心できる

実績ある業者を選ぶ際は、「GHS対応の実績」や「化学品業界との取引経験」が豊富なことを確認しましょう。
よくある質問Q&A|ラベル発注・運用・更新のギモン解決

Q1. GHSラベルは自社で印刷しても問題ない?
A. 基本的には可能です。ただし、印刷品質と耐久性に注意が必要です。


GHSラベルの法的な記載内容が正しければ、ラベルの印刷方式や場所に制限はありません。
しかし、自社印刷の場合は次のようなリスクが伴います:
・耐薬品性や耐久性に乏しい印刷材を使ってしまう
・ピクトグラムの色やサイズが規定に合っていない
・インクがにじみやすく、内容が読めなくなる

特に化学品を輸出・保管する用途では、外注によるラベル品質保証のほうが信頼性は高いと言えるでしょう。

Q2. GHSラベルはどれくらいの頻度で更新すべき?
A. 製品情報、法改正、SDSの更新に応じて都度見直す必要があります。


定期的な更新というよりは、以下のような変化があった際に見直しを行います:
・該当物質のGHS区分が変更された(例:区分2→区分1)
・製品成分や製造ロットが変更された
・SDSの内容が更新された
・法令の改正があった(令和6年対応など)

更新履歴や版数管理を行い、古いラベルが現場に残っていないように注意してください。


Q3. GHSラベルの発注時に必要な情報は?
A. 最低限、以下の情報を準備しておくとスムーズです。


必須条件備考
製品名(正式名)SDSと一致させること
使用するピクトグラムGHS区分を確認して選定
注意喚起語・文言SDSに記載された表現を元に作成
ラベルサイズ容器のサイズに応じて調整
貼付け環境・使用条件溶剤・温度・湿度など

上記表にある項目が揃っていれば、ラベル製造企業も最適な素材・印刷方法をご提案しやすくなります。

GHSラベルは“義務”から“信頼”へ
実際のGHSラベルの画像。黒い布の上にGHSラベルが乗っている。
GHSラベルは、単なる法令遵守のための表示ではありません。
「安全性の可視化」=企業の信頼性の証明ともいえる重要な要素です。

2025年現在、GHS対応は以下の3つの視点から避けては通れないテーマになっています:
1. 法令対応の義務化(令和6年4月以降)
2. 国際的な基準への適合
3. 社内外ステークホルダーへの信頼性アピール


さらに、適切なラベルデザインや素材の選定は、製品トラブルの未然防止や監査対応、さらには海外輸出時の障害軽減にも繋がります。

■ GHSラベル対応を成功させる3つのポイント

1. SDSと連動した正確なラベル設計
2. 業種・薬品特性に応じたラベル基材の選定
3. 最新法令・技術情報に基づいた継続的な見直し

当社では、長年のシール印刷技術と薬品対応ラベルの実績をもとに、GHS対応ラベルのご提案~印刷まで一貫サポートいたします。ラベル基材・インクの選定支援、小ロット生産にも対応しております。ぜひお気軽にお問い合わせください。


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