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サニースタッフブログ

【2024年更新】GHSラベルの完全ガイド:安全データシート(SDS)との違いと作成ポイント

2024-08-13
カテゴリ:技術コラム
GHSラベル記事アイキャッチ画像。GHSラベルで使用するシンボルとタイトルが表示されている。
GHSラベルとは?
GHSラベルとは、GHSに対応したラベル記載項目を満たしているラベルを指します。GHSは化学品の分類および表示に関する国際的なシステム(Globally Harmonized System of Classification and Labelling of Chemicals)の略称です。このシステムは、化学品の危険性を明確に示し、使用者や取り扱い者の安全を確保するために設けられました。
GHSラベルには、絵表示、信号語、危険有害性情報などが含まれており、世界中で統一された基準に基づいています。

※令和6年4月1日から、"令和2年度までに国がGHS分類を行った物質のうち、発がん性、生殖細胞変異原性、生殖毒性、急性毒性のいずれかで区分1とされた物質(234物質)について、ラベル表示・SDS交付"が義務付けられました。
(引用元:経済産業省 製造産業局科学物質管理課. ーGHS対応ー 化管法・安衛法・毒劇法におけるラベル表示・SDS提供制度
GHSラベルのメリット
GHSへの対応は薬品使用者の健康・環境の保護だけでなく、対象となる薬品が国際的に調和された基準で適正に評価されていることの証明となるため、ユーザーや取引先からのイメージ向上に繋がります。また、入手可能なデータを用いて分類するため、化学品の新たな試験及び評価の必要性が減少します。
GHSラベルを薬品・化学品に貼ることで、一目で対象製品がGHSに対応した製品だと証明することが可能となります。
GHSとSDSの違い
GHSとよく混同される「SDS(Safety Data Sheet:安全データシート)」ですが、SDSとは、化学品・薬品を安全に取り扱うために、対象となる化学品の危険有害性等に関する情報を記載した文書のことです。
GHSは、主にラベルの形式や内容を統一することに焦点を当てているのに対し、SDSは具体的な取り扱いや保管に関する指示に焦点を当てています。GHSは危険性を一目で理解できるようにし、SDSはそれを詳細に説明する役割を果たしていると理解しておけばよいでしょう。
GHSラベルデザイン作成時の注意点
注意シンボルを胸の前で掲げている作業員の画像。
GHSラベルの作成には一定のルールがあるため、ルールに従ってラベルのデザインを行ないましょう。

<ラベルの記載項目>
  1. 化学品の名称

    「SDS」に記載する製品名を記載します。

  2. 注意喚起語

    使用者に対して危険有害性を伝えるだけでなく、その危険有害性がどの程度のものであるかを伝える語句となります。この注意喚起語は「危険(danger)」「警告(warning)」の2種類があります。重大な危険有害性のある場合は「危険」、危険より重大性の低い危険有害性がある「警告」を使用します。

  3. 絵表示

    ラベルに用いる絵表示(シンボル)は、はっきり見えるように1つの頂点で正立させた正方形の背景の上に黒いシンボルを置き、十分に幅広い赤枠で囲むようにしてください。また、印刷した際の面積が1㎠になる事が望ましいとされています。
    ラベル記載項目の配置について「危険有害性を表す絵表示、注意喚起語と危険有害性情報はラベル上に一緒に配置されるべき」とされているため、注意が必要です。


    (GHSピクトグラムのダウンロードはこちら↓)
     GHS pictograms. Transport UNECE.

  4. 危険有害性情報

    GHSの各危険有害性クラス及び危険有害性区分に割り当てられた文言の事で、該当化学品・薬品の危険有害性の性質、その危険性の程度を示します。

  5. 注意書き

    GHSの各危険有害性クラス及び危険有害性区分に割り当てられた注意書きの事で、危険有害性を持つ化学品・薬品へのばく露、または不適切な貯蔵及び取り扱いから生じる被害を防止することを目的としています。

  6. 供給者を特定する情報

    化学品・薬品を供給する業者(個人名)、住所及び電話番号を記載します。

GHSラベル作成のポイント
実際のGHSラベルの画像。黒い布の上にGHSラベルが乗っている。
GHSラベルのデザインを作成する際は「ラベルの基材」についても注意が必要です。ラベルを貼り付ける化学品・薬品に対して、耐性のないラベル基材・インクを選択してしまうと、ラベルの剥がれやインク剥がれを起こしてしまいます。
ラベルを貼り付ける化学品・薬品の特性に合わせて、正しくラベルの選定を行いましょう。耐溶剤ラベルなどに使用される特殊な基材は市販で入手することが難しいため、ラベル印刷業者に印刷を依頼することも検討してください。
化学品・薬品に応じた適切なGHSラベルを
GHSラベルは、化学品の危険性を明確に示し、使用者や取り扱い者の安全を確保するために欠かせない要素です。GHSに対応したラベルを適切に作成することで、国際的な基準に準じた安全対策が実現できるだけでなく、企業のイメージアップにも繋がります。特にインクやラベル基材の選定については、化学品の特性に合わせた慎重な判断が必要です。常に最新の基準を順守し、適切なGHSラベルを用いて、安全で信頼性の高い製品の提供を目指しましょう。


サニーシーリングでは、シール・ラベルのプロがお客様のご要望に合ったラベル基材、インクの選定を行います。またお客様のご要望に合わせたラベルのカスタマイズも可能です。
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