サニースタッフブログ
柔軟な発想で革新を。技術開発課の使命と未来
さて、今回のブログでは、私が所属する技術開発課の業務内容や取り組みについてご紹介します。ぜひ最後までお読みいただけると幸いです。
技術開発課とは
技術開発課は、主に精密抜き加工品の製造工程設計や刃型設計をおこなう部署です。また、ラベルなどの印刷製品と精密抜き加工の技術を組み合わせた複合加工製品の設計、検証も担当しています。少し大仰な言い方になりますが、私たちは「高度な技術と創意工夫で多様な顧客のニーズに応える、技術のプロフェッショナル集団」と自負しています。
依頼から作成まで。仕事の流れについて
技術開発課では、製品の設計から製造までを一貫してサポートしています。具体的な流れは以下の通りです。
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①依頼受領
営業部門から顧客の製品図面や要求事項と共に、見積・試作・量産のいずれかの設計依頼を受け取ります。依頼には主に製品の仕様や性能が含まれています。
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②設計計画書の作成・登録
社内の設計計画状況を確認・共有するため、設計計画書を作成します。以前は紙ベースで管理していましたが、現在はKintoneを用いて、データベースでリアルタイムに進捗を確認できるようにしています。
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③図面作成
CADソフトで「トレース作業」「加工工程図の作成」「製品寸法・校正確認依頼図の作成」を行ないます。私たちの作成した図面をもとに作業者が製造するため、設計者として注意事項等を「いかに分かりやすく伝えるか」日々工夫しています。例えば、部品ごとに図面の色を変えたり、組み立て後の状態を描いたりと、現場の声を反映しながら改善を続けています。
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④顧客への承認受領
作成した図面を顧客に提出し、営業を通じて指摘や修正があれば対応します。顧客の要望に応えるため図面を都度修正していきます。
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⑤発注用図面の作製
刃型や金型は専門業者に外注しています。価格も高価であるため、ミスがないよう仕様の確認を徹底して発注用の図面を完成させます。
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⑥製造部門への加工依頼
加工工程図などの各種図面を製造部門へ出図し、実際の加工と妥当性の確認をおこないます。こちらもKintoneで作成したアプリを用いて、すぐに情報共有が出来るようにしています。
開発事例
これまで技術開発課では、主にスマートフォン・カメラなどの部材として使用される両面テープやフィルムなどの加工品の開発に携わってきました。ここでは、これまで手掛けた製品の一部をご紹介いたします。
- ・ゲル加工品(航空宇宙業界で使用される機器、部材等に使用)
- ・家庭用ゲーム機コントローラー部材
- ・車載用カメラセンサーの保護フィルム
- ・防曇機能を付与した手術用3Dメガネ
…など、ゲームや車など身近にあるものから、医療現場・宇宙で活躍しているものまで。私たちが開発に関わった製品が、様々な業界で活躍しています。当社が標榜する「食卓から宇宙まで」を実現するため、私たち技術開発課をはじめ、ものづくりに携わるメンバーが日々努力しています。
業務で大切にしていること
私が普段の業務で大切にしていることは大きく2つあります。一つ目は「確認作業を怠らないこと」です。私たちの部署では複雑な形状や特殊な材料を扱うことが多くあります。お客様から提供された非常に効果な材料も多いため、刃型の設計では間違いが許されません。そのため、些細な違和感や変化を見落とさないよう細心の注意を払って、確認作業を行なっています。
二つ目は「柔軟な発想・アイデアをもって設計すること」です。多種多様な案件が日々舞い込んでくる技術開発課ですが、もちろん案件が変わる度に新規の設備を導入することはできません。そのため、既存設備を上手く活用して、無駄なく効率よく開発ができないか?という考えを持って工程設計をしています。限られた条件の中で、多くのアイデアをパズルのように組み立てながら日々設計・開発をおこなっています。
苦労したエピソード
これまで多くの製品の設計に携わってきましたが、開発事例でも紹介した「家庭用ゲーム機のコントローラー」の部品設計で特に苦労しました。製品に使用される絶縁部品は、非常に特殊な形状の抜き穴加工をする必要があったため、材料の構成や刃型の仕様、加工方法選定が困難を極めました。「試作はOK、量産ではNG」というような事態を防ぐため、私たちは常に試作段階から量産体制を見据えての設計を心がけています。当該の製品も、何度も失敗を重ねましたが、加工条件や材料を変更しながら試作を繰り返し、ようやく成功しました。その後は非常にスムーズに量産移行が実現し、現在に至っています。
やりがいと喜び
難易度の高い案件が立ち上がり、上手く軌道に乗ったときの達成感は格別です。また、自分たちで考案した新しい加工方法が成功した時は、技術者として大きな喜びを感じます。一つ一つの成功体験が次の挑戦への原動力になっていると思います。