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サニースタッフブログ

凸版印刷と凹版印刷の違いは?印刷方式について紹介

2023-12-25
カテゴリ:業務紹介
印刷の種類は様々存在する

近所のスーパーのチラシや雑誌、シール・ラベルなど、私たちの身の回りには、当たり前のように文字や画像が印刷された印刷物が溢れています。しかし、すべて同じ方法で印刷されているわけではなく、サイズや紙の質など、用途や条件に合った適切な印刷方式を採用しています。


今回は、数ある印刷方式の中でも代表的な「凸版印刷」と「凹版印刷」について紹介していきます。

凸版印刷とは
凸版印刷の図解
凸版印刷方式

凸版印刷(とっぱんいんさつ)とは、複製したい(印字)部分を凸状にしてインクをつける印刷手法です。印鑑と同じ原理であるため、想像しやすいかと思います。


凸版印刷は主にシール・ラベル、名刺、帳票、段ボールへの印刷に用いられます。


印鑑と版画が同じ原理であるということで、凸版印刷の濃淡表現も押す力(圧力)によって変わると思われがちですが、実際にはそうではありません。色の濃淡を表現するためには「網点」と呼ばれる細かい点を使います。


網点を細かく密集させることで濃い部分を表現し、逆に網点の間隔を広げることで色の薄い部分を表現しています。

凸版印刷の特徴は?
凸部(印字部)周辺のインキ被膜が厚くなり、力強い画線部が得られるため、印字部分の輪郭を鮮明に表現することができます。さらに、樹脂の版を使用するため、段ボールなどの凹凸した素材にも対応できることも特徴的です。
鮮明な印字を行う事は得意ですが、細い絵柄や線の表現にはあまり向いていません。
凹版印刷とは
凹版印刷の仕組み
凹版印刷方式

凹版印刷(おうはんいんさつ)とは、凸版印刷の真逆の方法で、複製したい部分(印字部分)を削り、そのくぼんだ部分にインクをつける印刷手法です。写真画像印刷に適したグラビア印刷は、この凹版印刷の一種です。


凹版印刷は主に写真集、美術書、プラスチックフィルム、軟包装材料、建材などの印刷に用いられます。


予め印字したい部分を削って、インクを乗せることで、くぼんだ部分にだけインクが溜まります。その溜まったインクを紙などの被印刷物に押し付けることで、印字部分が転写される仕組みになっています。


また、凹版印刷ではインクの量をコントロールして、色の濃淡を表現します。ドクターブレードという装置を使って、余分なインクをこそぎ落とし、適切なインクの量を調整しています。

凹版印刷の特徴は?

凹版印刷は、緻密な線を再現するのに適しています。また凸版印刷や平版印刷では印刷しづらい素材も印刷できるという特徴があります。印刷に金属の版を用いるため耐久性がとても高く、大ロット印刷が得意なことも凹版印刷の特徴の一つです。


金属の版は非常に耐久性に優れていますが、その分版代が高価になってしまうため、小ロット印刷には不向きとされています。

まとめ

今回の記事にて、代表的な印刷方法である「凸版印刷」と「凹版印刷」について紹介しました。凸版印刷と凹版印刷の特徴はそれぞれ以下の通りです。


<凸版印刷>

  • 凹凸のある素材への印刷が可能(シール・ラベル、名刺、帳票、段ボール)
  • 網点によって色の濃淡を表現している。
  • 鮮明な印字は得意だが、細かい絵柄や線の表現には不向き。

<凹版印刷>
  • 凸版印刷や平版印刷では印刷しづらい素材にも印刷可能。
  • 耐久性の高い金属の版を用いるため、大ロット印刷に向いている
  • 緻密な線の表現が得意。
  • 版の作成コストが高いため、小ロットには不向き。


印刷手法によって、絵柄の表現や加工価格が変動いたします。制作したい物やご予算に合わせた印刷手法の選定や版の作成が重要です。

特にシール・ラベル印刷では、使用用途によって印刷手法・被印刷物素材の組み合わせが無数に存在します。ラベルの印刷を考えている場合や、ラベルの種類にご興味のある場合は、以下のページも参考に。


(▼こんなラベルがあったんだ!!)

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