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サニースタッフブログ

新たなスタート。当社のスクリーン印刷のこれから。

2024-01-24
カテゴリ:業務紹介
スクリーン印刷で使用するインク缶
今回は、弊社の「スクリーン印刷」に関する記事をお届けします。昨年11月に、弊社のスクリーン印刷を担当されていた複合加工課のKさんが定年を迎えられました。Kさんは定年後も嘱託社員として引き続き勤めていただけるのですが、入社16年を経て、定年という一つの節目を迎えられました。これからは、新たな世代が当社のスクリーン印刷の中核を担っていくことになります。そこで、今回は職人Kさんの技術を受け継ぐ複合加工課のNさんとMさんに、今後の意気込みなどを聴きこむべく、インタビューを行ってきました。
世代交代。次世代職人の心の内は
―― 最近多くの案件が入っていて、スクリーン印刷部門は大変お忙しいとお聞きしています。今回はお忙しい中、お時間を取っていただきありがとうございます。早速ご質問ですが、今回業務を引き継いでいくことになるかと思いますが、どのような体制になっていくのでしょうか。

N:Kさんは定年を迎えられましたが、これからも会社に残っていただき、私たちが中心となって完全に独り立ちできるよう、技術指導をいただいています。
そのため、私たちも一日でも早く知識や技術を習得できるように日々修行中です。

体制としては、特殊な印刷物(色数の多い物等)はMさん、それ以外のものを私が担当するようになっています。

M:はい、技術の習得はもちろんですが、今後は工程組みなどの管理業務もKさんから引き継ぐ必要があるので、これから本当に大変になってくると思います。早く一人前になれるように日々努力です。
スクリーン印刷担当M氏の画像
スクリーン印刷 M氏
――  技術の伝承は一朝一夕では出来ないと思うので、日々技術の習得に努めなければならないですね。スクリーン印刷は他の印刷方法と比べ、個人の力量が顕著に表れるとお聞きしたのですが、どのような作業が難しく、また重要となるのでしょうか。

N:ハッキリ言って、全部の作業です。

M:そうですね(笑) 。基本的に全部の作業が品質に繋がってきます。色を出す調色作業や、位置合わせ、型抜き。全て規定通りにならないと一つの製品として完成しません。

N:当社で製造している印刷製品は、基本的に機械が位置合わせを行なったり、色も調色システムで管理したりするなど数値で制御できるものが多いのですが、私たちが担当している一般スクリーン印刷の場合は、人間の手で位置調整や色の調整を行うので、特に「職人色」が強いと思います。

―― 職人色が強いからこそ、難しい仕事でありながら、やりがいもありそうですね。多くの経験が必要で、高い技術力を求められるスクリーン印刷の製品ですが、使用するユーザーにはやはり大きなメリットがあるのですか?

N:一般的な話にはなってしまいますが、スクリーン印刷を使用するメリットとしては、特殊な材料やインクでも小ロット多品種に対応でき、かつ高品質な製品が作れるところにあります。また、当社のシール印刷設備の多くは凸版印刷が主流ですが、これらは印刷版に一度インクを乗せて、材料に「転写」する方式です。これに対して、スクリーン印刷はインクを直接材料に「乗せて(盛って)」印刷していくので、シール印刷ではできないインクの厚みを出すことが可能です。これにより印刷面の耐久性が高くなるため、色や柄も消えにくく、耐光性(耐候性)も高いです。例えば、屋外で使用され、年中日光や雨風にさらされるような印刷物も当社では作っています。例えば「駐輪場のステッカー」などが分かりやすいですね。
また、特殊な機能性を持つインクは、シールよりもスクリーン印刷の方が多いと思います。例えば「IRインク(赤外線透過インク)」のように、家電製品のリモコンなどに使われるものや、「ミラーインキ(鏡面インキ)」と呼ばれる、メッキを使えない材質にも金属のような質感で印刷できるものもあります。また、以前は当社でも、スマートフォンの「加飾フィルム」もスクリーン印刷で製造していました。このような機能性インキは、スクリーン印刷用として数多く開発されていて、多くの工業製品ではなくてはならないものになっています。ただ、特殊なインクは印刷の難易度も高いですけどね。そこが当社の腕の見せ所です。
スクリーン印刷担当N氏の画像
スクリーン印刷 N氏
―― 高い技術力を要する代わりに、長持ちしやすい高品質なラベルを作ることが出来るのですね。私も駐輪場のステッカーは学生時代使っていました。たしかに言われてみれば3年間ほぼ色の薄れもなく、文字が見えていました。
最後にこれからの抱負などお聞かせいただければ嬉しいです!


N:私は、まずは一人前になれるように仕事を覚えていきたいです。一人前と言っても定義はいろいろあると思いますが、基本的にどんな作業でもミスをしないような状態を目指していきます。例えば、印刷や加工の位置調整のミスがあると、何度も調整が必要になり材料のロスにも繋がってしまいます。これからもっと経験を積んでいきたいです。

M:私もNさん同様に、ミスを基本的にしないようにしたいです。また、効率化+経費削減に向けた動きも視野に入れて成長したいと思っています。これから私たちが中心となってスクリーン印刷部門を動かしていく必要があるので、印刷技術だけでなく、管理業務も全て覚えられるようにします。

今回これからスクリーン印刷の中心となっていくNさん、Mさんにインタビューを行いましたが、お二人からは不安などは感じられず、やる気に満ち溢れている様子が印象的でした。
愛弟子への想い
そして、最後に、Kさんにもインタビューを行い、NさんとMさんお二人のことについてもコッソリお聞きしてきました。

K:全体の業務の習得度で言うと、もう7~8割程度の完成度には来ていると思っています。印刷技術の面だけで言えば6割くらいで、まだまだ発展途上なところはあるけれど、二人とも吞み込みが早く、非常に期待しています。印刷技術だけでなく、工程組みといった業務も任せていくことで、私がいなくても完全に作業ができるように、しっかりとこれからも育てていきます。あの二人なら、大丈夫だと私は思っています。

―― 以上のコメントからも、「愛弟子」のお二人のことを非常に信頼されていいることがよく伝わってきました。次世代に移行していくスクリーン印刷部門の今後が、社員のひとりとしても楽しみですし、応援していきたいと思います。
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