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サニースタッフブログ

新規開発案件への取り組み

2023-06-19
カテゴリ:業務紹介
オススメ
みなさん、こんにちは。複合加工課のFです。

昨年末に月産数十万pcsの大型案件が入り、安定生産に向けて試行錯誤を繰り返しました。ユーザーの用途としては次世代エネルギー関連の製品に使う部品となります。使用する材料は、他社ではうまく加工ができない非常に取り扱いの難しい物です。ロール to ロールで量産対応できるメーカーも数が少なく、さらに高度な技術が求められます。ユーザーは複数の加工メーカーでの生産を検討されていたようですが、最終的に当社に依頼をいただきました。当社でも、試作段階ではかなり苦戦して検証加工を繰り返しましたが、ようやく成功に結び付けることができました。

今回の案件だけでなく、当社はこれまでも、他社では加工ができないと言われた加工を実現してきました。それらの成功事例は、弊社内で確立された新規開発時の技術的なこだわりや、仕組みづくりがあってこそのものだと考えています。

そこで今回は、新規開発案件時の注意点等についてご紹介していきたいと思います。
新規案件が入ると・・・
実際に新規案件の話をいただくと、営業の引合いから、製造、技術スタッフが加工対応の可否を判断します。この判断が、新規案件をこなす中で一番大変な部分になります。当社が保有している設備でお客様が求める加工ができるのか?という点を、机上分析だけでなく実際に現場徹底的に検証します。加工法の検討・確立は大変時間がかかる作業です。お客様への迅速な回答も求められるため、目の前の材料だけでなく常に時間とも戦っています。加工法の確立を終えた後は、試作を繰り返しながらお客様の納得いただく形に仕上げて量産を迎えます。
案件成功に向けた努力
我々は案件を成功させるために6つのことを意識して仕事に取り組んでいます。

  1. 試作段階での妥協は絶対にしない。
  2. 金額の多寡、ロットの大小に関わらず、”仕事”の質に徹底的にこだわる。
  3. 常に量産までを頭に描く。
  4. オペレーターと”異なる目線”で現場に向き合う
  5. 三現主義(現場、現物、現象)で考える
  6. 材料の特性を知る

特に「オペレーターと”異なる目線”で現場に向き合う」というのは、意識していないとできないことです。実際に加工を行っていくオペレーターは、一度作業に入ってしまうと「ここに問題があるはずだ」と思い込み、視野が狭くなってしまうことがよくあります。決められた時間の中で量産を行わなければならないというプレッシャーもある中で、物事を俯瞰的に見るのは誰しも困難であると思います。だからこそ新規開発案件が入り、加工法を検討する時点で、起こりうる問題等を俯瞰的に見て、誰が担当しても常に一定の品質を保てるようにしています。材料の特性を予め調査し、その情報をデータとして蓄積して共有することも安定生産を実現するための重要な要素です。
新規案件の苦労と挑戦

これまで当社は、弱電関連のユーザーが多く、2000年前後は携帯電話(フィーチャーフォン)の部品である両面テープの加工が主でした。当時は、新規案件の殆どが垂直立ち上げ、垂直終息を年に数回繰り返すような仕事でした。

試作から量産まで期間も短く、試作しながら量産しているような感じで、現場の管理者は正直、頭の中が真っ白状態。そんな状況で次の課題へ対応したり、現場へ入って手伝したり、とにかくお客様にご迷惑をかけないよう、納期優先で対応してきました。しかし、品質も落とすことはできません。やはり新規開発の大変さは、Q(品質)、D(納期)、C(コスト)のバランスを取ることにあると思います。


時代の流れは、ここ数年非常に早くなってきています。これまでの工法は通用しないことも少なくありません。そのため、品質・技術の向上はより一層求められると感じています。しかし我々は、技術+αでお客様のために役立つ「付加価値」が大事だと思います。

私たちは、今後、例えば加工だけでなく貼付けも行う等の、より付加価値のある提案を行っていきたいと考えております。

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