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サニースタッフブログ

ラベルコンテストに出品しました

2023-08-09
カテゴリ:業務紹介
みなさん、こんにちは。製造部シール製造課のTです。

弊社では、今年も全日本シール印刷協同組合連合会主催の「シール・ラベルコンテスト」に出品いたしました。1990年から開催されている本コンテストも33回目。今回のブログでは、「シール・ラベルコンテスト」の概要と、今年弊社が出展した作品についてご紹介します。
シール・ラベルコンテストとは、全日本シール印刷協同組合連合会が開催する「シール・ラベル印刷の技術力を競うコンテスト」のことです。金沢で行われた第一回コンテストから始まり、ほぼ毎年、全国の主要都市でコンテストが開催されています。

(参考)全日本シール印刷協同組合連合会ホームページ

http://www.seal.gr.jp/contest.php

また、大会を主催している全日本シール印刷協同組合連合会は、シール・ラベル印刷の発展と社会の発展に貢献することを目的に発足され、弊社を含むシール・ラベル印刷を行う全国の企業が500社以上加盟しています。この連合会会員であれば、シール・ラベルコンテストに自由に参加可能です。



同コンテストには、自由課題・規定課題の二つの部門があり、優秀作品には経済産業大臣賞、日本印刷産業連合会長賞などが贈られ、毎年開催される年次大会で表彰されます。



シール・ラベルコンテストの審査ポイントは、

①見当精度 ②画線のシャープさ ③網点とグラデーション ④インキのノリとムラ 

上記4つで、各社から出展された作品を、優れた印刷知識、技術を保持した審査員が、厳しい目で審査・評価します。
第14回(2004年度)ラベルコンテスト経済産業大臣賞受賞作品(サニー・シーリング)
サニーシーリングは、第一回ラベルコンテストから毎年出品させていただいており、過去に計3回経済産業大臣賞を受賞し、複数回、世界ラベルコンテストでも表彰いただいた実績があります。入賞の実績は企業のPRに繋がるだけでなく、技術を全国に認められた証になるため、本コンテストには非常に思い入れがあります。今年も製造部で企画し、営業支援課、経営企画室の協力を得て、無事に「自由課題」へ出展することができました。

直近10年ほどは、シール・ラベル印刷の技術だけでなく、複合加工部門やスリット部門の知識と技術を合わせた作品を出品してきました。一般的な「ラベル・シール製品」ではなく、そこに複合加工(精密加工)の技術要素を加えた作品がメインでした。おかげさまで、当社独自の技術力、開発力などが評価され、何度も受賞させていただくことができました。

そして本年、コンテストへのエントリーにあたり、社内的なテーマは「原点回帰と変革」としました。協議の結果、従来の複合技術を含めない、「純粋なシール印刷」で勝負することにしました。

 

<見出し3:シール製造”変革”の年に>

今年出品する作品として、「企業ブランドPR用ノベルティラベル」(展示会出展時などの販促用に配布するノベルティグッズラベル)を選定しました。

変革のポイントは3つあります。

一つ目は、先述のとおり、「複合技術を含まない、(純粋な)シール印刷製品」であること。

二つ目は、「社内スタッフが企画、デザインしたイラスト」です。
今回、弊社では初めてアニメ風オリジナルキャラクターを採用しました。若年層から外国人まで広く受け入れられる意匠性を狙っています。現在、同コンテストの審査中のため、この場でデザインを公開できないのは残念ですが、イラスト内での遠近感、鮮やかな色調が目を引く、いいデザインではないかと、自社のことながら満足しています。当社は工業系の製品が大半であるため、このような商業的デザインでコンテストに臨むことも、ある意味チャレンジングでした。改めてデザインしてくれたY・Fさんに感謝しています。
三つ目のポイントは、「”新人スタッフ”による高品位ラベル印刷」です。
変革にチャレンジしたのは、作風やデザインだけではありません。製造現場もまた、新たな試みに臨みました。 今回は、ベテランオペレータではなく、「入社3か月の新人」による高品質、高品位なラベル製作へのチャンレンジ・・を出品に際しての作品コンセプトとしました。
製販は入社3か月のTさん、印刷を行うオペレータも同時期に入社したNさんが担当しました。結果、二人とも、上司や先輩のアドバイスを受けながら試行錯誤を繰り返し、最終的には立派に仕事をやり遂げました。

なぜ、新人によるラベル製作が「コンセプト」になり得るのか・・をご説明しますと、現在、当社の属する印刷、加工業界だけでなく、製造業全体で人手不足が問題になっています。特に、長い経験、熟練を要する、いわゆる「職人の世界」では、後継者の育成も含めて上記の問題は深刻です。当社は、長年、専門技術、熟練技術だけに頼らないものづくり、生産体制の構築に取り組んできましたので、製造スタッフの採用、体制づくりは比較的うまくいっているのではないかと考えてはおります。しかしながら、今後、人材の確保、育成、定着をずっと問題なく続けていけるかといえば、楽観はできません。少子高齢化や地方から都市への人口集中など、リスク要因は少なくありません。私たちのものづくりの仕組み、メソッドにも変革が必要だと考えています。といいましても、当社独自の取り組み・・などというものではありません。「省人化、省力化、脱属人化、標準化、効率化」など、今まさに、製造業に求められている取り組みに類するものになります。

その一環として、これまで何十年もベテランオペレータが担当することが当たり前であったラベルコンテストにあえて新人を担当させることで、「人手不足、人材確保難の時代における、新たなオペレータ像、ラベル印刷製造体制の提案」になるのでは・・と考えました。もちろん、ラベルの品質、製造技術を競うコンテストですので、「高品位、高品質」であることは外せません。一見、相反するその二つを両立させることができれば、当社の現場にひとつの「変革」をもたらすことができると考えました。

今回のチャレンジに至るまで、「ラベルコンテストのために」ということではないのですが、入社後の新人に対するOJTの在り方、標準化や教育の進め方にも工夫を加え、早期育成に取り組んできました。また、印刷設備に関しては、高精細なカラー印刷も可能かつ、標準化、再現性の高い「フレキソ間欠印刷機」を選定しました。「入社3ヶ月でのコンテスト挑戦」をなし遂げるためには、当社では最新鋭の機械である同印刷機が非常に大きな役割を果たしてくれました。

紆余曲折ありながらも、出品を無事完了させることができた今、コンテストの審査結果はともかく、少なくとも当社の中ではひとつの「変革」の風を起こすことができたのではないか、私はそう実感しています。
印刷オペレータのNさんは見当、印圧(網点の再現性)に苦労し、製版担当者のTさんはグラデーションの修正作業に苦戦していました。しかしながら、持ち前の責任感と根気強さで納得のいくシール・ラベルを作り上げてくれました。

完成したラベルを、コンテスト事務局に向けて「出荷」した際の、二人の新人の達成感にあふれた表情が印象的でした。二人にとって、入社後最も心に残った仕事になったのではないかと思います。戸惑いながらも、難題にチャレンジし、コンテストへの出品をクリアした二人は、今後、更なる飛躍をしてくれることでしょう。



今回のラベルコンテストでの入賞を信じながら、結果を待ちたいと思います。

最後までご覧いただき、ありがとうございました。
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